【ネタバレ注意】Past Memory -過去と記憶- 註解と考察

その他、雑多な考察

未解決の謎、気になるポイント

孝太とエリの約束

高校一年の孝太から見て9年前に、神谷と孝太は何らかの約束を交わしていた。その内容は「孝太が桜花学園高校の受験を決心したこと」、「孝太が将来なりたいもの」に関連していることが推測できる。3章で「孝太はその昔神谷とある約束を交わしていた。そのなれそめはまたの機会に。」とあるが、約束の具体的な内容が明かされることはなかった。

なお、「なりたいもの」になるには大学に行って国家試験に合格する必要があるようだ。18章での孝太の人を助けたいという発言から、医療に関係する職業かとも思ったが、根拠が弱すぎる上に人を助ける職業ならほかにいくらでもある。

一方、10章では「その約束は…今の由との関係にぴったりだと思う。」という発言から、幸せになることや伴侶を得ることが約束に含まれていた可能性もある。

間引き対象者のリスト

間引きリストの閲覧条件と権限が不明である。17章によると、神谷は生前に自身と孝太が間引き対象であることを知っていた。一方、孝太は自身が対象者だったことを17章まで知らなかった。

能力者ならば誰もがいつでもリストを見られるのか?ということと、リストの全員の名前を見られるのか?が不明。

孝太がリストを見れなかったのはエリによって能力をコピーされただけの人間であるから、という可能性がある。

エリと達也の命日

小学二年生のころ、海に遊びに行ったのはお盆の日。一方、6章ではエリと達也の命日が9月であると断言されている。この微妙な時間のずれの理由は不明。

エリの母、智恵の能力

発言の矛盾のため、リセットを持っているのかどうか不明。リープを持っているのは間違いない。

コピーされたリープの制限事項

由の父親によると、コピーされたリセットは3回までしか使えないという話だった。さて、孝太のリープもコピーされたものである。オリジナルのリープはエリとエリの母が持っていた。

ここで、二者の間にある差は何だろうか?作中で明言されているわけではないが、オリジナルのリープを持っているエリの母は魔法陣を召喚して孝太を転送するシーンがあった。コピーされたリープの制限事項は、他者を転送するような魔法陣の使用可否という可能性がある。

幸代からの贈り物

19章で手紙と合わせて孝太と由がもらったもの。これが何であるかを断言するのは無粋な気もするが、可能性の一つとして「由に霊魂が寄ってきて不幸になる可能性を極限まで下げるため」があると考えている。智恵からの最後の話を参照。一応、寿命を取り戻した後は霊魂がいなくなったと言われているのでこの推定が正しいとは限らない。

その他のポイント

  • 合宿の宿で孝太が拾ったボタン
  • 由がエリたちの事故現場の海岸で覚えた既視感
  • 由が1度目のリセット後に母親から持たされたメモを不吉と感じた理由
  • 孝太と真一の馴れ初め
    • なんの描写もないが、精神崩壊していた孝太と最初に友達になったのが真一であるという解釈も予想される
  • 由が桜花学園を受験した理由
    • 孝太と違って由には中学時代の描写がない。中学からの親友である歩美とかなでについてきたという解釈が妥当か
  • ある人物が発動したリセットが、どこまで他者の人生を左右してしまえるのか
    • これは他のSF作品に任せた方がよさそうな話題

背景グラフィックの出典

多くの背景グラフィックはきまぐれアフターのものだが、一部実写取り込みの背景等が存在している。それらのうち、出典が推定できたものを紹介する。

実写

  • 東京スカイツリー
  • 日本未来科学館
  • 横浜中華街
    • ほぼ間違いなくこのブログから拝借している画像あり。角度、人々の装いが一致している
  • 東京駅
  • 渋谷・ハチ公像
  • 明治神宮
  • 上野公園・不忍池
  • 日暮里駅(ホーム)
  • お台場海浜公園
  • ファミリーマート豊橋駅東口店
    • 素材フォルダの解析で得られた編集前の画像から判明。店舗右側にある某宗教団体の道場の看板が特徴的。Googleストリートビューを参照されたい
  • 東京ディズニーランド
    • このブログから拝借しているらしい。素材フォルダの解析で得られた編集前の画像から判明

その他のBG

孝太たちが事故にあったあの駅は、編集ミスのため「たかさき」の駅名標が見えているが、群馬県高崎市のものではない。このサイトの鷹岬駅である。

おまけモードについて

クリア後に閲覧できるおまけエピソードによると、BGM鑑賞モードを含むおまけモードが今後のバージョンアップで実装される予定であるとされている。しかし、筆者の知る限りではそのようなものは存在しておらず、有料版や完全版があるわけでもないようだ。その理由については、iTchan WikiというWebサイトのinfinity-Sのページによるとフリー素材利用の弊害であることが伺える。

おわりに

各登場人物の過去と目的

「結局あいつらは何がやりたかったんだ?」という疑問に対して、情報を超圧縮して答えていきます。

井上孝太

過去: 小学二年生のころに幼なじみの神谷恵理と二宮達也を失って挫折しそうになった。エリとの約束のために勉学をガチって桜花学園へ入学した。

現在: 高校に入り、そこで出会った保坂由を助けることを決意。リープ能力を使ってエリや由の親族の助言を聞きながら奮闘するも途中で死亡。蘇った後は由の寿命を取り戻し、由と結ばれた。

保坂由

過去: 祖父のせいで寿命が短くなり両親と兄が消息不明で昔からロクな人生を歩めておらず、一度死亡した。父が自身と兄を犠牲にすることで蘇るも、歪んだ生活を送りつつ桜花学園に入学した。

現在: 高校に入り、自分を助けてくれそうな孝太を好きになり、寿命を取り戻すために頑張るものの途中で孝太諸共死亡する。リセット能力を行使して蘇ったため寿命が短くなるが、孝太や親族の力を借りて解決して孝太と結ばれた。

神谷恵理

過去: 幼馴染の孝太を好いており、リープ能力をコピーした。その後、能力を持っていたために間引きの対象となって死亡した。孝太も間引き対象だったので巻き込むつもりだったがしくじった。

現在: 能力者である由と接触したことを機に、リープで孝太に助言し始める。由の件が片付いた孝太に過去の真実を語り成仏。

柊歩美、青井かなで

過去: 由と親友になり、桜花学園に入学した。

現在: 由と孝太が結ばれるように手配し、由に寿命を提供して助けた。

保坂智彦

過去: 保坂家に婿に入って幸代と結婚して息子と由を持った。義父のせいで由が死んだため自身らを犠牲にし、妻からコピーされたリセットを用いて由を助ける。義父をナイフでメッタ刺しにした。

現在: 由の寿命を取り戻すため、孝太に接近する。記憶を書き戻したり真実を語ったりして成仏。

保坂幸代

過去: 智彦と結婚して息子と由を持った。助かった由の寿命を取り戻すために、肉体を捨てて身を隠し寿命再分配能力を身に着けた。

現在: 真実を語ったあと能力を用いて由の寿命を取り戻し、成仏。

保坂隆康

過去: 1秒でも長く生きるため、リセット能力を求めて保坂家の婿になった。妻や子孫を犠牲にして自身の人生をリセットするも、義理の息子にナイフでメッタ刺しにされて台無しに。

現在: 罵られる。

神谷智恵

過去: 隆康に勘当された。その後結婚してエリを持ち、能力を伝授した。しかし間引きに逆らえずエリを失った。

現在: 自身と血のつながりのある子世代のなかで唯一の存在となった由を助けるため、孝太たちに協力する。

稗貫真一

過去: 小学二年生のころに孝太と親友になった。共に桜花学園に入学した。

現在: 孝太をイジり、由が人生を取り戻し孝太が伴侶を得るきっかけを作り出す。

結びの言葉

本記事では、まず世界観や登場人物について概説し、次に各章ごとにゲームシナリオの多くを引用しつつ説明や解釈を加えました。最後に、未解決の点について述べ、各登場人物が何をやりたかったのかを整理しました。ゲームを1周クリアしただけでは分かりにくい点や伏線について明らかにできたならば幸いです。

本記事では俗に「infinity-S、infinity-Gっぽい」特定の話題やキーワードについてはあまり触れませんでした。プレイ済みの方々ならお分かりいただけると思いますが、作中の要所要所で「生と死」、「幸福」といった話題に関する哲学めいた発言があったと思います。そして、これらの要素は他のどの作品でも共通して描かれていると考えています。このような「共通のコンセプト」のようなものこそが本作、ひいては同サークルの作品の魅力を一層引き立てているというのが筆者の結論の一つです。ちなみに、細かい点を取り上げてみても他作品でも似たような点があったりします(反転で該当する作品名を表示)。

  • 人生ハードモードなヒロイン→「全作品
  • 死後も主人公を愛し続ける/愛し続けたヒロイン→「BluePrints」、「黄昏
  • 人智を超えた存在、輪廻転生→「黄昏
  • 一度消息を絶った後もヒロインを助けるため尽力する両親→「ALLiWs
  • etc…

本記事はPast Memoryについて世界で二番目に詳しく解説することを目的に執筆してきました(1番は作者の持つ設定資料でしょう)。本文の粗捜しからの未解決ポイントの羅列とかいう失礼なコンボを決めましたが、作品に未解決の点があるから悪いとか言う意図は一切ございません。私は今までほとんど読書をしてきませんでしたが、物語において各自の想像力を呼び起こさないのが致命的であることは理解しているつもりでいます。むしろそのような点があるからこそ私はそれを明らかにしようと本記事の執筆を思い至り、結果として作品の理解を深めた形になりました。

本文の引用まみれになった点は大いに反省すべき点であると考えています。ここまでで実に5万文字を突破しており、うち約2.7万文字が引用となっています。もし他の作品の考察記事を書くことがあれば、もう少し低負荷な記事を書きたいですね…。

以上

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